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ブラスト工法とは?サンドブラストとの違い・種類・用途をわかりやすく解説

「ブラスト」という言葉を、橋梁や鉄骨の塗装、金属加工の現場で耳にしたことがある方は多いと思います。 ブラストは、鋼材を塗装する前の下地づくりや、サビ・旧塗膜の除去に欠かせない、表面処理の基幹技術です。 この記事では、 ブラスト工法とは何か(原理) サンドブラストとブラストの関係(違い) 研削材(メディア)の種類 ブラスト工法の種類(乾式・湿式・ショット・循環式など) どんな用途に使われるのか   を、鋼構造物のブラスト・塗装を手がける専門業者の視点で、基礎からわかりやすく解説します。ブラスト工法とは?原理と役割ブラスト工法とは、研削材(けんさくざい)と呼ばれる硬い粒子を、圧縮空気などの力で対象物の表面に高速で衝突させる表面処理の方法です。 研削材は、メディア・投射材・研磨材などとも呼ばれます。 粒子をぶつけることで、次のようなことができます。 表面のサビ・汚れ・旧塗膜を除去する 塗料が密着しやすい粗面(粗さ)をつくる 表面を整える・質感を変える 鋼構造物の塗装では、この「サビ・旧塗膜の除去」と「塗料が密着する粗面づくり」を同時に行えることが、ブラストの大きな価値です。 塗膜が長持ちするかどうかは、塗料の性能以上に、塗る前の素地調整(下地処理)の品質に左右されるといわれています。   その素地調整のなかでも、最も高い品質(素地調整程度1種)を実現できるのがブラストなのです。サンドブラストとブラストの違いは?ブラストについて調べると、「サンドブラスト」という言葉をよく見かけます。 結論からいうと、サンドブラストはブラスト工法のなかの一種です。 「サンド(sand=砂)」という名前のとおり、研削材として砂(珪砂)を使う方式が、もともとのサンドブラストです。 ただし、ブラストはこの砂を使う方式から広まったため、「サンドブラスト」という呼び名が、ブラスト全般を指す通称としても使われるようになりました。 そのため、「サンドブラスト」という言葉は、文脈によって2つの意味で使われます。 狭い意味:砂(珪砂)を使う、または圧縮空気で吹き付けるタイプのブラスト(=ブラスト工法の一種) 広い意味:ブラスト工法全般を指す通称 金属加工の現場などで「サンドブラスト(略してブラスト)」と呼ばれるのは、後者の通称的な使い方です。   ブラスト工法は、研削材の飛ばし方(投射方式)や使う研削材の種類によって、さらに細かく分類されます(くわしくは後述の「ブラスト工法の種類」で解説します)。現在は砂(珪砂)はあまり使われないもともとのサンドブラストで使われていた珪砂ですが、現在の鋼構造物のブラストでは、ほとんど使われなくなっています。 珪砂は、吹き付ける際に細かく砕けて粉じん(遊離けい酸)を発生させます。 この粉じんを作業者が吸い込み続けると、珪肺(けいはい)と呼ばれるじん肺を引き起こすおそれがあることが分かっています。 そのため、安全性の観点から、現在は珪砂ではなく、金属系や鉱物系など他の研削材を用いるのが一般的です。   つまり、名前は「サンド(砂)ブラスト」でも、実際には砂以外の研削材を使っているケースがほとんどなのです。研削材(メディア)の種類ブラストの仕上がりは、どの研削材を選ぶかによって大きく変わります。   代表的な研削材を、種類ごとに整理しました。研削材選びのポイント研削材は、素材の種類だけでなく、粒の形状(鋭角か球状か)や大きさ(番手)によっても仕上がりが変わります。 鋼橋や鉄骨など、しっかりサビ・旧塗膜を除去して塗装の下地をつくる用途では、金属系や鉱物系の硬い研削材が選ばれます。   「何のために、どんな仕上がりにしたいか」を明確にすることが、最適な研削材選びの第一歩です。ブラスト工法の種類ブラストには、研削材の投射方法や回収方法によって、いくつかの工法があります。   鋼構造物の塗装・メンテナンスで使われる主なものを紹介します。エアーブラスト(オープンブラスト)圧縮空気で研削材を吹き付ける、最も基本的な乾式のブラストです。   除去力が高い一方、粉じんや研削材が飛散しやすいため、十分な養生が必要です。ショットブラスト羽根車の遠心力などで研削材を投射する工法です。   広い面積や大量の鋼材をまとめて処理するのに向いています。湿式ブラスト(ウェットブラスト)水を併用することで、粉じんの飛散を抑える工法です。   鉛などの有害物質を含む塗膜の除去で用いられます。循環式・バキュームブラスト研削材と塗膜くずを回収し、研削材を選別して再利用する工法です。 産業廃棄物の発生量や粉じんを大幅に抑えられ、環境負荷の低減につながります。   バキュームタイプは噴射と回収が一体になっており、飛散を抑えながら施工できます。ブラスト工法の主な用途ブラストは、幅広い分野で活用されています。 代表的な用途は次のとおりです。 塗装の下地処理(素地調整):サビ・旧塗膜を除去し、塗料が密着する粗面をつくる 塗膜剥離・サビ取り:古い塗膜やサビ、スケール(黒皮)を除去する 梨地(なしじ)仕上げ:表面につや消しの細かい凹凸をつける バリ取り:金属部品の不要な突起を除去する 装飾:ガラスの模様付けや墓石の文字入れ など   橋梁・歩道橋・鉄骨・プラントといった鋼構造物の塗り替えでは、このうち「素地調整」と「塗膜剥離」が中心的な役割を果たします。ブラストで課題になる「粉じん」と「産業廃棄物」ブラストには、避けて通れない2つの課題があります。 ひとつは、サビ・旧塗膜・砕けた研削材から発生する粉じんの飛散です。 もうひとつは、使用済みの研削材や除去した塗膜片から生じる産業廃棄物(産廃)の処理です。 特に、鉛・PCBなどの有害物質を含む旧塗膜を扱う場合は、飛散防止と適正な廃棄物処理が一層重要になります。   そのため近年は、研削材を再利用して産廃を減らし、粉じんの飛散を抑える工法が求められています。カイシン工業の「マルチメディア・ブラスト工法®」岡山県倉敷市の株式会社カイシン工業では、特許登録済みのマルチメディア・ブラスト工法®(特許第7776072号)を用いて、橋梁・鉄骨などの鋼構造物のブラスト・塗装を行っています。   岡山で初めて導入された、先進的なブラスト施工システムです。全研削材・全工法に対応その名のとおり、さまざまな研削材(マルチメディア)に対応し、現場の条件に応じて最適な工法を選べるのが特徴です。産業廃棄物を現場内で分離・有害物質を持ち出さない施工で発生する産業廃棄物を現場内で分離し、有害物質を現場外に持ち出さないため、工期短縮と環境配慮を両立できます。   ブラスト(素地調整)から塗装、さらに鋼材の運搬・保管までをワンストップで対応しているため、工程を分けて発注する手間も省けます。□ 鋼材塗装ワンストップサービスの詳細はこちらよくある質問(FAQ)Q. ブラスト工法とは何ですか? A. 研削材(硬い粒子)を圧縮空気などで対象物の表面に高速で吹き付ける表面処理の方法です。 サビ・旧塗膜の除去と、塗料が密着する粗面づくりを同時に行えます。   Q. ブラストとサンドブラストは違うものですか? A. サンドブラストは、本来はブラスト工法の一種(砂を使う方式)です。 ただし、最初に普及した方式だったため、ブラスト全般を指す通称としても使われます。 現在は安全性の観点から、砂以外の研削材を使うのが一般的です。   Q. なぜブラストで砂(珪砂)が使われなくなったのですか? A. 珪砂は吹き付ける際に砕けて粉じんを発生させ、吸い込み続けると珪肺(じん肺)の原因になるおそれがあるためです。 現在の鋼構造物のブラストでは、金属系や鉱物系などの研削材が用いられます。   Q. ブラストはどんなときに必要ですか? A. 橋梁・鉄骨などの塗装で、塗膜を長持ちさせたいときに必要です。 塗膜の寿命は素地調整(下地処理)の品質で大きく変わり、ブラストは最も高い品質の素地調整を実現できます。   Q. ブラストで出る産業廃棄物は処理してもらえますか? A. カイシン工業のマルチメディア・ブラスト工法®は、産業廃棄物を現場内で分離し、有害物質を現場外に持ち出しません。 処理の負担を抑えたい場合も、お問い合わせよりご相談ください。  

2026.06.29

橋梁塗装とは?塗装系・塗り替え時期・工程をわかりやすく解説

道路や鉄道を支える橋は、その多くが鋼材(鉄)でつくられています。 鋼鉄製の橋(鋼橋)は、雨風や紫外線、排気ガス、飛来塩分にさらされ続けるため、何も対策をしなければサビや腐食が進行してしまいます。 そこで、鋼材を錆から守り、橋の寿命を延ばすために欠かせないのが橋梁塗装です。 この記事では、 橋梁塗装の目的と役割 橋梁塗装の「塗装系」(C-5・Rc-Ⅰなど) 塗り替え時期の判断基準 塗装の工程 を、鋼構造物の塗装・ブラストを手がける専門業者の視点で解説します。   橋梁の維持管理を担当される自治体・道路管理者の方、橋梁工事を請け負う建設会社・鋼橋製造会社のご担当者は、ぜひ参考にしてください。橋梁塗装の目的|防食と長寿命化(LCC低減)橋梁塗装の最大の目的は、鋼材を錆・腐食から守る「防食」です。 鉄は水分・酸素・塩分に触れると腐食し、放置すれば断面が痩せて橋の強度が低下します。 塗装によって腐食因子を遮断することで、橋の安全性と耐久性を保ちます。 近年はとくに、橋梁の維持管理においてライフサイクルコスト(LCC)の低減が重視されています。 高度経済成長期に整備された多くの橋が老朽化を迎えるなか、いかに少ない費用で長く橋を使い続けるかが、社会全体の課題になっているためです。   そのため橋梁塗装でも、耐久性の高い塗料で塗り替え周期を延ばし、トータルの維持管理費を抑える考え方が主流になっています。橋梁塗装の「塗装系」とは / C-5・Rc-Ⅰ橋梁塗装を理解するうえで欠かせないのが、塗装系(とそう けい)という考え方です。 塗装系とは、下塗り・中塗り・上塗りといった複数の塗料を、どの順番で何回塗り重ねるかを定めた「塗装の組み合わせ」のことです。 日本の鋼道路橋では、公益社団法人日本道路協会が発刊する鋼道路橋防食便覧が、塗装系の標準的な指針となっています。   塗装系は、大きく「新設時」と「塗り替え時」に分けられます。新設時の代表的な塗装系「C-5塗装系」新しく架けられる鋼橋の代表的な塗装系がC-5塗装系です。 防食下地に無機ジンクリッチペイントを用い、その上にエポキシ樹脂塗料、さらに耐候性に優れたふっ素樹脂塗料を塗り重ねる、複数層からなる重防食塗装系です。   塩害を受けやすい厳しい環境でも、おおむね30年程度の耐久性が期待できるとされ、鋼橋の標準的な仕様として広く採用されています。塗り替え時の塗装系「Rc-Ⅰ」などすでに使われている橋の塗り替えでは、Rc-Ⅰ・Rc-Ⅱ・Rc-Ⅲ・Rc-Ⅳといった塗替え用の塗装系が用いられます。 なかでもRc-Ⅰ塗装系は、サビや旧塗膜をブラストで徹底的に除去する素地調整1種を前提とした、最も耐久性の高い塗り替え仕様です。   一方で、現場の制約でブラストが難しい場合などには、簡易な塗装系が選ばれることもありますが、その分、耐久性は低くなる傾向があります。橋梁の塗り替え時期の目安橋梁の塗り替え時期は、次の3つの観点から総合的に判断します。① 定期点検(5年に1回)の結果道路橋は、国の点検要領に基づき、おおむね5年に1回の定期点検が求められています。   点検で部材の健全性が評価され、補修が必要と判定されると、塗り替えの検討対象となります。② 塗膜の劣化サイン点検を待たずとも、次のような劣化が見られたら塗り替え時期のサインです。   塗膜の変色・チョーキング(白い粉をふく) 塗膜のひび割れ・はがれ・膨れ 鋼材の赤サビ・流れサビ 桁端部やボルト部など、水回りに集中する局部腐食 ③ 塗膜診断による健全度評価近年では、外観だけでなく、塗膜の付着強度や塗膜下の鋼材の状態を調べる塗膜診断も活用されています。   見た目では分かりにくい劣化を数値で把握することで、最も経済的なタイミングでの塗り替えが可能になります。橋梁塗装の工程・流れ橋梁塗装は、塗料を塗るだけでなく、その前後の工程が品質を大きく左右します。① 現況調査・診断塗膜やサビの状態、付着強度を確認します。   古い橋では、旧塗膜に鉛・クロム・PCBなどの有害物質が含まれていないかも調査します。② 足場・養生橋は道路や河川をまたぐため、第三者の安全を守る足場と、塗料・サビの飛散を防ぐ養生が欠かせません。③ 素地調整(ケレン)サビや旧塗膜を除去し、鋼材表面を塗装に適した状態に整えます。 塗膜寿命を最も左右する重要工程で、長寿命化にはブラストによる素地調整1種が理想とされます。   機械工具によるケレンでは、ブラストほどの素地調整グレードまでは到達しにくいとされています。④ 塗装(下塗り・中塗り・上塗り)選定した塗装系に従い、防錆を担う下塗りから、保護層の中塗り、耐候性を担う上塗りまでを順に塗り重ねます。   各層の膜厚を管理しながら仕上げます。⑤ 検査・完了膜厚や仕上がりを確認し、問題がなければ足場を解体して完了です。部分塗替えという考え方橋梁の劣化は、橋全体で一様に進むわけではありません。 水が集まりやすい桁端部など、特定の狭い範囲に腐食が集中することが多くあります。 そこで、橋全体が劣化するまで待つのではなく、腐食の著しい部位だけを先に塗り替える「部分塗替え」という考え方があります。 部分塗替えでは、耐久性に優れた重防食塗装系(Rc-Ⅰに準拠した仕様など)が原則とされています。   劣化が局所に集中している段階で手を打つことで、橋全体の延命とコスト削減につながります。古い橋で注意すべき「鉛・PCB含有塗膜」築年数の経った橋の塗り替えで必ず確認すべきなのが、旧塗膜に含まれる有害物質です。 かつての防錆塗料には、鉛・クロム・PCBが使われていた時期があります。 これらを含む塗膜の除去は、飛散を抑える湿式工法などが求められ、廃棄物の処理にも特別な配慮が必要です。   そのため、橋梁の塗り替えではまず旧塗膜の成分調査を行うことが、安全とコスト管理の出発点になります。カイシン工業の「鋼材塗装ワンストップサービス」岡山県倉敷市の株式会社カイシン工業では、橋梁・歩道橋などに使用される鉄骨・配管の下地処理から塗装までを一貫対応しています。マルチメディア・ブラスト工法®で高品質な素地調整カイシン工業が岡山で初めて導入した、特許登録済み(特許第7776072号)の先進的なブラスト施工システムです。 長寿命化に理想的な素地調整1種相当の下地処理を実現します。   現場内で産業廃棄物を分離し、有害物質を現場外に持ち出さないため、工期短縮と環境配慮を両立できる工法です。ブラスト・塗装・運搬・保管をまとめてお任せ複数の業者に分けて発注していた工程を、カイシン工業がワンストップで対応します。 引き取りから現場納品まで自社トラックで運び、自社工場内で施工から保管まで一括管理します。   工程のムダを省くことで、従来比でのコストダウンと、最短での納品を実現します。よくある質問(FAQ)Q. 橋梁塗装の一番の目的は何ですか? A. 鋼材を錆・腐食から守る「防食」です。 あわせて、塗り替え周期を延ばして維持管理費(ライフサイクルコスト)を抑える役割もあります。 Q. C-5塗装系とは何ですか? A. 新設の鋼橋で代表的に用いられる重防食塗装系です。 防食下地のジンクリッチペイントに、エポキシ樹脂塗料とふっ素樹脂塗料を塗り重ねる構成で、厳しい環境でも高い耐久性が期待できます。 Q. 塗り替えのときの塗装系はどう決まりますか? A. 旧塗膜の種類や橋の環境、ブラストが可能かどうかなどによって、Rc-Ⅰなどの塗替え塗装系から選定します。 長寿命化を重視する場合は、素地調整1種(ブラスト)を前提とした耐久性の高い仕様が基本になります。 Q. 橋全体を塗り替えないといけませんか? A. 必ずしもそうではありません。 腐食が桁端部などに集中している場合は、その部位だけを先に塗り替える「部分塗替え」で、橋全体の延命とコスト削減を図ることができます。 Q. 古い橋の塗膜に鉛やPCBが含まれている場合はどうなりますか?   A. まず成分調査を行います。 有害物質が含まれる場合は、飛散を抑える工法での除去と、適正な廃棄物処理が必要になり、費用がかかる傾向があります。

2026.06.26

【鋼材鉄骨塗装】目的・工程・塗料の種類・費用をわかりやすく解説

工場・倉庫の鉄骨、橋梁や歩道橋、鉄塔、プラント設備——。 私たちの暮らしを支える構造物の多くは、鋼材(鉄)でつくられています。 その鉄を錆や腐食から守り、長く使い続けるために欠かせないのが鉄骨塗装です。 この記事では、 鉄骨塗装の目的と必要性 塗装の工程と流れ 塗膜の寿命を左右する「ケレン(素地調整)」の種類 使用される塗料の種類 費用の考え方 を、鋼材のブラスト・塗装を手がける専門業者の視点で解説します。   鉄骨構造物の塗り替えを検討されている方、鉄骨・配管の塗装を外注したい製造会社・建設会社のご担当者は、ぜひ参考にしてください。鉄骨塗装とは?目的は防食(錆・腐食を防ぐ)鉄骨塗装とは、鋼材の表面に塗料を塗り、被膜をつくる作業のことです。 その第一の目的は、見た目を整えることではなく、鋼材を錆・腐食から守る「防食」にあります。 鉄は、水分や酸素、塩分に触れると酸化し、サビが発生します。 サビを放置すると、鋼材の内部まで腐食が進み、板厚が減って強度が低下していきます。 特に屋外や臨海部、工場内の腐食しやすい環境では、劣化のスピードが速くなります。   塗装によって酸素や水分を遮断することで、この腐食の進行を抑え、構造物の安全性と寿命を保つのです。鉄骨塗装は「きれいにする工事」ではなく、「鋼材を守り、延命させる工事」です。 だからこそ、塗料を塗る前の下地づくりが何より重要になります。鉄骨塗装の種類「新設」と「塗り替え」鉄骨塗装は、大きく次の2つに分けられます。新設時の塗装(工場塗装)橋梁や鉄骨を製作する段階で、工場内であらかじめ塗装する方法です。 天候に左右されず、温度・湿度が管理された環境で施工できるため、安定した塗膜品質を確保しやすいのが特徴です。   製作した鉄骨を現場へ運び、組み立て後にボルト部・溶接部など一部だけを現場で塗装するケースも多くあります。既設構造物の塗り替え(メンテナンス塗装)すでに使われている鉄骨構造物を、劣化に応じて塗り替える工事です。 既存の塗膜やサビの状態によって、下地処理の方法や塗料の選定が変わります。   旧塗膜に鉛などの有害物質が含まれる場合は、特別な対応が必要になります(詳しくは後述)。鉄骨塗装の工程・流れ① 現況調査・素地の確認鋼材の状態、サビの範囲、既存塗膜の劣化具合などを確認します。② ケレン(素地調整)サビや旧塗膜、汚れを除去し、鋼材表面を塗装に適した状態に整えます。 鉄骨塗装の品質を最も大きく左右する、最重要工程です。③ 下塗り(さび止め)防錆の要となる下塗り塗料を塗布し、鋼材とその上の塗膜をしっかり密着させます。④ 中塗り・上塗り塗膜に厚みと保護性能を与える中塗り、耐候性や色を担う上塗りを塗り重ねます。   各層の膜厚を管理しながら、仕上げていきます。⑤ 検査・完了膜厚や仕上がりを確認し、問題がなければ完了です。塗膜の寿命を決める「ケレン(素地調整)」の種類鉄骨塗装で最も重要なのが、塗装前のケレン(素地調整)です。 どれだけ高性能な塗料を使っても、下地にサビや脆い旧塗膜が残っていれば、新しい塗膜はすぐにはがれてしまいます。   このケレンは、除去の程度によって1種〜4種に分けられます(数字が小さいほど入念で、除去率が高くなります)。※「ケレン」は正式な工業規格用語ではなく通称で、発注者や基準によって解釈が異なる場合があります。長寿命化には「1種ケレン(ブラスト)」が理想橋梁や歩道橋のように、長期間にわたって高い防食性能を求められる構造物では、サビや旧塗膜を根こそぎ除去できる1種ケレン(ブラスト工法)が理想とされます。 ブラストは、研削材を圧縮空気で高速で吹き付け、サビ・旧塗膜を除去すると同時に、塗料が密着しやすい清浄な粗面をつくる方法です。 ただし、最も入念な分、手間と費用がかかる工程でもあります。   そのため、求める耐久性と予算のバランスをとった、最適なケレングレードの選定が重要になります。鉄骨塗装に使われる塗料の種類鉄骨塗装では、役割の異なる塗料を塗り重ねて、一つの「塗装系」をつくります。下塗り(さび止め・防錆)防食の要となる層です。 かつては鉛丹などの有害物質を含むさび止めが主流でしたが、現在は環境・健康に配慮した鉛・クロムフリーのさび止めや、変性エポキシ樹脂塗料などが広く使われています。   亜鉛末を多く含み、犠牲防食効果を発揮するジンクリッチペイントは、より高い防錆性能が求められる場面で用いられます。中塗り・上塗り塗膜に厚みと保護性能を与え、耐候性や色を担う層です。 代表的なものに、ウレタン樹脂塗料や、より高い耐久性を持つふっ素樹脂塗料があります。 橋梁や臨海部の鋼構造物など、特に過酷な環境では、ふっ素樹脂を上塗りに用いた重防食塗装系が選ばれます。   一般的な塗装系に比べて長期にわたって防食性能を維持でき、塗り替え周期を延ばせるのが特徴です。鉄骨塗装の費用の考え方鉄骨塗装の費用は、現場の条件によって大きく変動します。   「いくらですか?」に一律の答えがないのは、次のような要素で金額が動くためです。費用を左右する主な要素 ・ケレン(素地調整)の等級:1種(ブラスト)に近いほど手間がかかり高くなる ・塗料のグレード:エポキシ・ウレタン・ふっ素など、耐久性に応じて価格差がある ・鋼材の形状:手すりや階段など複雑な形状は、養生と手間が増える ・数量の単位:㎡(面積)・m(長さ)・t(重量)で評価が変わる ・足場の有無・現場条件:高所や交通量の多い場所では仮設費用が加わる   ・旧塗膜の有害物質の有無:鉛・PCBなどを含む場合は除去工法が変わり高くなる 見積もりで失敗しないために同じ現場でも、ケレンの等級や塗布回数、面積の算出方法の前提が曖昧だと、業者によって金額が大きく変わります。 見積もりを比較する際は、「ケレンの等級」「塗装系(使う塗料と回数)」「数量の根拠」が明記されているかを確認しましょう。   価格だけでなく、塗膜の寿命まで含めて判断することが、結果的にコストを抑えることにつながります。鉄骨塗装のコストを抑える「ワンストップ」という選択【カイシン工業の鋼材塗装ワンストップサービス】鉄骨の防食を長持ちさせるには、ブラスト(1種ケレン)による丁寧な素地調整が効果的です。 しかし、ブラストと塗装を別々の業者に発注すると、工程管理が煩雑になります。 運搬・保管・連絡調整の手間とコストも積み重なり、産業廃棄物(使用済み研削材など)の処理負担も発生します。 そこで有効なのが、ブラストから塗装、運搬・保管までを一括で任せられるワンストップ施工です。   工程のムダを減らすことで、トータルコストの削減と工期短縮を両立できます。 岡山県倉敷市の株式会社カイシン工業では、橋梁・歩道橋などに使用される鉄骨・配管の下地処理から塗装までを一貫対応しています。マルチメディア・ブラスト工法®で高品質な1種ケレンカイシン工業が岡山で初めて導入した、特許登録済み(特許第7776072号)の先進的なブラスト施工システムです。 長寿命化に理想的な1種ケレン相当の素地調整を実現します。   現場内で産業廃棄物を分離し、有害物質を現場外に持ち出さないため、工期短縮と環境配慮を両立できる工法です。ブラスト・塗装・運搬・保管をまとめてお任せ複数の業者に分けて発注していた工程を、カイシン工業がワンストップで対応します。 引き取りから現場納品まで自社トラックで運び、自社工場内で施工から保管まで一括管理します。   工程のムダを省くことで、従来比でのコストダウンと、最短での納品を実現します。 >>> 鋼材塗装ワンストップサービスの詳細はこちらよくある質問(FAQ)Q. 鉄骨塗装の一番の目的は何ですか?A. 鋼材を錆・腐食から守る「防食」です。 塗膜で酸素や水分を遮断することで腐食の進行を抑え、構造物の安全性と寿命を保ちます。Q. 塗装の前の「ケレン(素地調整)」はなぜ重要なのですか?A. 下地にサビや脆い旧塗膜が残っていると、新しい塗膜が密着せず早期にはがれてしまうためです。 塗膜の寿命は、塗料そのものよりもケレンの品質で大きく変わります。Q. 1種ケレンと3種ケレンは何が違いますか?A. 1種ケレンはブラスト工法でサビ・旧塗膜をほぼ完全に除去するもので、橋梁など重防食が必要な構造物に用いられます。 3種ケレンは活膜(密着している旧塗膜)を残し、サビと劣化部のみを手工具で除去する方法で、一般建築などで多く採用されます。Q. 古い鉄骨で、塗膜に鉛が含まれていそうな場合はどうなりますか?A. まず旧塗膜の成分を調査します。 鉛・クロム・PCBなどの有害物質が含まれる場合は、飛散を抑える工法での除去が必要になり、通常より費用がかかる傾向があります。Q. 鉄骨塗装の費用はどのくらいですか?A. ケレンの等級・塗料のグレード・形状・数量・足場条件などで大きく変動するため、一律の金額はお伝えできません。 正確な費用は現況を確認したうえでのお見積りになります。お問い合わせよりご相談ください。

2026.06.17

【歩道橋塗装】ブラスト工法とは?乾式・湿式の違いと鉛・PCB塗膜への対応を解説

歩道橋の塗り替えで、塗膜を長持ちさせるためのカギを握るのがブラストによる素地調整(下地処理)です。 そして、古い歩道橋では避けて通れないのが、旧塗膜に含まれる鉛・PCBなどの有害物質への対応です。 この記事では、 ブラスト工法とは何か、なぜ重要なのか ブラスト工法の種類(乾式・湿式・循環式・バキューム)と違い 鉛・PCB含有塗膜の除去で求められる法令対応 PCBを含む塗膜くずの産業廃棄物処理 を、橋梁・鋼構造物のブラスト塗装を手がける専門業者の視点で解説します。   歩道橋の塗り替えを計画する自治体・道路管理者の方、橋梁工事を請け負う建設会社のご担当者は、ぜひ参考にしてください。ブラスト工法とは?塗膜寿命の半分を決める素地調整ブラスト工法とは、研削材(鉱物・スラグ・金属などの粒子)を圧縮空気で鋼材表面に高速で吹き付ける下地処理の方法です。 その衝撃で、サビや旧塗膜を除去すると同時に、塗料が密着しやすい清浄な粗面をつくります。 歩道橋・橋梁の塗り替えでは、サビや旧塗膜を根こそぎ除去できる素地調整程度1種(1種ケレン)が、長寿命化の理想とされています。 塗膜が長持ちするかどうかは、塗料の性能以上に、この素地調整の品質に大きく左右されるといわれています。   つまり、ブラストは「塗装の前段階」ではなく、塗膜寿命を決める主役級の工程なのです。ブラスト工法の種類と違いブラスト工法には、現場の条件に応じていくつかの種類があります。   歩道橋の塗り替えで使われる主な工法、オープンブラスト・循環式ブラスト・バキュームブラスト・湿式ブラストを整理しました。工法選定のポイントどの工法が最適かは、現場の立地(市街地か/交通量)、旧塗膜の有害物質の有無、産廃処理のコスト、求める素地調整グレードなどによって変わります。   歩道橋は人通りの多い場所に設置されることが多いため、粉じんや塗膜片の飛散をいかに抑えるかが、工法選びの重要な判断軸になります。古い歩道橋で要注意|鉛・PCB含有塗膜への対応築年数の経った歩道橋の塗り替えで、必ず確認すべきなのが旧塗膜に含まれる有害物質です。 かつての防錆塗料には、鉛やクロム、PCBといった有害物質が使われていた時期があります。 これらを含む塗膜を、養生の不十分な乾式ブラストで除去すると、有害物質が粉じんとして飛散し、作業者や周辺環境に健康被害を及ぼすおそれがあります。   そのため、法令に基づいた適切な対応が求められます。鉛を含む塗膜の剥離に関する法令鉛については、含有量にかかわらず「鉛中毒予防規則」の適用を受けます。 作業環境の測定や、作業主任者の選任、有効な保護具の着用などが求められます。 さらに、2014年に厚生労働省から出された通達では、鉛等の有害物を含む塗料の剥離・かき落とし作業について、作業を湿潤化して(湿式工法で)行うことが周知されています。   そのため、鉛含有塗膜の除去では、湿式ブラストや剥離剤工法、超高圧水洗浄などの飛散を抑える工法が選ばれるのが一般的です。発注者にも求められる「事前の成分把握」この対応は、施工業者だけの問題ではありません。 剥離作業を発注する側にも、塗料中の鉛・クロム等の有害物質の有無を把握し、施工者に情報を伝えること、調査やばく露防止対策に必要な経費へ配慮することが求められています。   つまり、塗り替えを計画する段階で、まず旧塗膜の成分調査を行うことが、安全とコスト管理の両面で欠かせません。PCBを含む塗膜くずの産業廃棄物処理鉛と並んで注意が必要なのが、PCBを含む塗膜です。 PCBを含む塗膜を除去して出た塗膜くずは、低濃度PCB産業廃棄物に該当する場合があります。 該当する場合は、通常の産廃とは異なる、適正な処理が必要です。 一方で、PCB濃度が一定の基準以下であれば、低濃度PCB汚染物に該当せず処理区分が変わるケースもあります。 いずれにせよ、塗膜くずの処理区分は成分分析の結果によって決まるため、ここでも事前の調査が重要になります。   このように、有害物質を含む歩道橋の塗り替えでは、「除去工法」と「廃棄物処理」の両方に手間と費用がかかりやすいのが実情です。カイシン工業の「マルチメディア・ブラスト工法®」でブラストと塗装を一貫施工岡山県倉敷市の株式会社カイシン工業では、歩道橋や橋梁などの鋼構造物に対し、特許登録済みのマルチメディア・ブラスト工法®(特許第7776072号)を用いた素地調整・塗装を行っています。   岡山で初めて導入された、先進的なブラスト施工システムです。有害物質を現場外に持ち出さないマルチメディア・ブラスト工法®の大きな特徴は、現場内で産業廃棄物を分離し、有害物質を現場外に持ち出さない点にあります。 橋梁や高速道路などの塗り替え・素地調整で、工期短縮と環境配慮を両立できる工法です。   全研削材・全工法に対応しているため、旧塗膜の状態や有害物質の有無といった現場の条件に応じて、最適な施工が可能です。ブラストから塗装・運搬・保管までワンストップカイシン工業では、ブラスト(素地調整)だけでなく、その後の塗装、さらに鋼材の運搬・保管までを一括対応しています。   工程を分けて複数業者に発注する手間が省け、有害物質を含む難しい案件でも、窓口を一本化して進められます。 >>>鋼材塗装ワンストップサービスの詳細はこちらよくある質問(FAQ)Q. 歩道橋の塗り替えに、なぜブラストが必要なのですか?A. 塗膜の寿命は、塗料の性能以上に下地処理(素地調整)の品質に左右されるためです。 ブラストはサビや旧塗膜を根こそぎ除去でき、長寿命化に理想的な1種ケレン相当の素地調整を実現できます。Q. 乾式ブラストと湿式ブラストは何が違いますか?A. 乾式は研削材をそのまま吹き付ける方法で、除去力が高い反面、粉じんが飛散しやすいのが特徴です。 湿式は水を併用して粉じんの飛散を抑える方法で、鉛などの有害物質を含む塗膜の除去で用いられます。Q. 古い歩道橋の塗膜に鉛が含まれている場合、どんな対応が必要ですか?A. 鉛は含有量にかかわらず鉛中毒予防規則の対象です。 2014年の厚生労働省通達では、剥離作業を湿潤化して行うことが周知されており、湿式工法などの飛散を抑える方法が一般的に選ばれます。 まずは旧塗膜の成分調査が出発点になります。Q. PCBを含む塗膜が出た場合、廃棄物はどうなりますか?A. PCBを含む塗膜くずは、低濃度PCB産業廃棄物に該当する場合があり、適正な処理が必要です。 濃度が一定基準以下なら処理区分が変わるケースもあるため、成分分析の結果に基づいて判断します。Q. 有害物質を含む塗膜でも対応してもらえますか?A. カイシン工業のマルチメディア・ブラスト工法®は全工法に対応し、産業廃棄物を現場内で分離して有害物質を現場外に持ち出しません。 現場の状況をふまえて適切な工法をご提案しますので、お問い合わせよりご相談ください。

2026.06.16

【歩道橋の塗装】塗り替え時期・工程・費用までわかりやすく解説

歩道橋は、通学路や通勤路の安全を守る大切なインフラ設備です。 その多くは鋼材(鉄)でできているため、雨風や紫外線、排気ガス、飛来塩分などにさらされ続けると、サビや腐食が進行します。 腐食を放置すると見た目が悪くなるだけでなく、構造的な強度が低下し、利用者の安全を脅かすことにもつながります。 そこで欠かせないのが、歩道橋の塗装(塗り替え)工事です。 この記事では、 歩道橋の塗装がなぜ必要なのか どのタイミングで塗り替えるべきか どんな工程で進むのか 費用を抑えるポイント を、橋梁・鋼構造物の塗装・建設を手がける専門業者、カイシン工業の視点でわかりやすく解説します。   歩道橋の維持管理を担当される自治体・道路管理者の方、橋梁工事を請け負う建設会社・鉄骨製造会社のご担当者は、ぜひ参考にしてください。歩道橋の塗装が必要な理由歩道橋の塗装には、見た目を美しく保つ以上に重要な役割があります。1. 鋼材を錆・腐食から守る「防食」鉄は空気中の酸素や水分に触れると酸化し、サビが発生します。 サビは内部へと進行し、放置すれば鋼材の板厚が減少して強度が落ちていきます。 塗装は鋼材の表面に被膜をつくり、酸素や水分を遮断します。   これにより腐食を防ぐ「防食」の役割を担っているのです。2. 利用者の安全確保歩道橋は、不特定多数の歩行者が日常的に利用する設備です。 腐食による劣化が進めば、部材の落下や強度不足といった重大なリスクにつながります。   計画的な塗り替えは、安全な通学路・通勤路を維持するための予防保全そのものです。3. ライフサイクルコストの低減「まだ大丈夫」と劣化を放置すると、いざ補修する際に素地調整や部材交換に大きな費用がかかります。 適切なタイミングで塗り替えを行えば、橋全体の延命につながります。   結果として、長期的な維持管理コスト(ライフサイクルコスト)を抑えられます。歩道橋の塗り替え時期の目安「歩道橋はいつ塗り替えればよいのか」は、担当者から最も多くいただく質問です。   判断の基準となるのは、主に次の3つです。定期点検(5年に1回)の結果道路橋(歩道橋を含む)は、国の点検要領に基づき、おおむね5年に1回の定期点検が求められています。 点検では部材の健全性が段階評価されます。   早期に措置が必要と判定された場合は、計画的な補修・塗り替えの対象となります。塗膜の劣化サイン点検時期を待たずとも、次のようなサインが見られたら塗り替えを検討すべき時期です。   塗膜の変色・チョーキング(表面が白く粉をふく) 塗膜のひび割れ・はがれ・膨れ 鋼材の赤サビ・流れサビの発生 接合部(ボルト部・溶接部)の局所的な腐食 塗装の耐用年数塗り替えの周期は、使用している塗装の種類(塗装系)と設置環境によって大きく変わります。 一般的な塗装系よりも、ふっ素樹脂塗料を上塗りに用いた重防食塗装系のほうが耐久性が高く、適切に施工されていれば長期にわたって防食性能を維持できます。 一方、塩害を受けやすい沿岸部や、排気ガスの多い都市部では、想定よりも早く劣化が進む場合があります。   そのため、環境に応じた点検・塗り替え計画が重要です。 【ポイント】 塗り替え時期は「年数」だけで一律に判断しないことが大切です。点検結果 × 劣化状況 × 設置環境の3点で総合的に見極めるのが基本です。歩道橋塗装の工程・流れ歩道橋の塗装は、単に塗料を塗るだけの作業ではありません。 塗膜を長持ちさせるためには、塗る前の「下地処理(素地調整)」が決定的に重要です。   一般的な流れは次のとおりです。① 現況調査・診断既存塗膜の劣化状況、サビの範囲、塗膜の付着強度などを確認します。   あわせて、旧塗膜に有害物質(鉛・クロム・PCBなど)が含まれていないかも調査します。② 塗装仕様の決定設置環境・目標とする耐用年数・予算をふまえ、最適な塗装系を選定します。③ 足場・養生の設置歩道橋は道路や歩道をまたいで設置されます。   そのため、第三者の安全を守る足場と、塗料やサビの飛散を防ぐ養生が欠かせません。④ 素地調整(下地処理)サビや旧塗膜を除去し、鋼材表面を塗装に適した状態に整えます。 ★この工程の品質が塗膜の寿命を大きく左右します★ 手工具・動力工具による方法と、後述するブラスト工法があります。⑤ 塗装(下塗り・中塗り・上塗り)塗装系に応じて、複数の塗料を順に塗り重ねます。   防錆を担う下塗りから、保護層となる中塗り、耐候性を担う上塗りまで、各層の膜厚を管理しながら仕上げていきます。⑥ 検査・完了膜厚や仕上がりを確認します。   問題がなければ足場を解体して完了です。塗膜の寿命を決める「素地調整(ブラスト)」とは歩道橋塗装の品質を左右する最大のポイントが、素地調整です。 どれだけ良い塗料を使っても、下地にサビや旧塗膜が残っていれば、新しい塗膜はすぐに浮いてはがれてしまいます。 長寿命化を目的とする塗り替えでは、素地調整程度1種(ブラスト工法)が理想とされています。 ブラスト工法とは、研削材を圧縮空気で鋼材表面に高速で吹き付ける方法です。 その衝撃でサビや旧塗膜を根こそぎ除去すると同時に、塗装が密着しやすい清浄な粗面をつくります。 歩道橋・橋梁・高速道路といったインフラ設備のメンテナンスに欠かせない技術です。 ただし、ブラストによる素地調整は、塗装工程の中でも特に手間と費用がかかる工程でもあります。   そのため、求める耐久性と経済性のバランスをとった、最適な素地調整グレードの選定が重要になります。旧塗膜に「鉛・PCB」が含まれる場合の注意点古い歩道橋の塗り替えで特に注意が必要なのが、旧塗膜に含まれる有害物質です。 かつての防錆塗料には、鉛・クロム・PCBといった有害物質が使われていた時期があります。 これらを含む塗膜を通常の乾式ブラストで除去すると、有害物質が粉じんとして飛散し、作業者や周辺環境に影響を及ぼすおそれがあります。 そのため、有害物質を含む塗膜の除去は、飛散を抑える湿式での作業などが求められます。 剥離剤工法と組み合わせるケースも多く、結果として費用がかさみやすいという課題があります。 歩道橋の塗り替えを計画する際は、まず旧塗膜の成分調査を行いましょう。   有害物質の有無に応じた適切な除去工法を選ぶことが、安全とコストの両面で欠かせません。歩道橋塗装の費用を抑えるポイント歩道橋塗装の費用は、多くの要素で変動します。 橋の規模・形状、素地調整のグレード、塗装系、足場の条件、旧塗膜の有害物質の有無などです。   そのうえで、トータルコストを抑えるための考え方として、次の2点が挙げられます。1. 工程を分けずに「一括(ワンストップ)」で発注する下地処理(ブラスト)と塗装を別々の業者に発注すると、工程管理が煩雑になります。 運搬・保管・連絡調整の手間とコストも積み重なります。   ブラストから塗装、運搬・保管までを一括で対応できる業者に任せることで、工程のムダを減らし、コストダウンにつなげられます。2. 産業廃棄物の処理負担を減らすブラスト施工では、使用済み研削材や除去した塗膜片が産業廃棄物として発生します。 この処理にも手間と費用がかかります。   そのため、研削材を再利用でき、産廃量を抑えられる工法を選ぶことが、コストと環境負荷の両面で効いてきます。カイシン工業の「鋼材塗装ワンストップサービス」ならコスト60%削減岡山県倉敷市の株式会社カイシン工業では、歩道橋や橋梁に使用される鉄骨・配管の下地処理から塗装までを一貫対応する「鋼材塗装ワンストップサービス」をご提供しています。マルチメディア・ブラスト工法®岡山初導入カイシン工業が岡山で初めて導入した、特許登録済み(特許第7776072号)の先進的なブラスト施工システムです。 橋梁や高速道路などの鋼構造物の素地調整に用いられます。   現場内で産業廃棄物を分離し、有害物質を現場外に持ち出さないため、工期短縮と環境配慮を両立できる工法です。ブラスト・塗装・運搬・保管をまとめてお任せ複数の業者に分けて発注していた工程を、カイシン工業がワンストップで対応します。 引き取りから現場納品まで自社トラックで運び、自社工場内で施工から保管まで一括管理します。   工程のムダを省くことで、従来比でのコストダウンと、最短での納品を実現します。「下地処理と塗装をまとめて外注したい」 「ブラストで出る産廃の処理が大変」 「鋼材の運搬・保管に手間がかかる」   こうしたお悩みをお持ちの建設会社・鉄骨配管製造会社のご担当者は、ぜひ一度ご相談ください。 □ 鋼材塗装ワンストップサービスの詳細はこちら施工事例官公庁からの歩道橋塗装工事など、実績にも自信があります! 事例>>倉敷市発注の笹沖歩道橋塗装工事 落札決定いたしました。  よくある質問(FAQ)Q. 歩道橋の塗り替えはどのくらいの周期で必要ですか?A. 使用している塗装系と設置環境によって異なります。 一般的な塗装系より、ふっ素樹脂を用いた重防食塗装系のほうが長く防食性能を維持できます。 年数だけでなく、定期点検の結果や塗膜の劣化状況とあわせて判断するのが基本です。Q. 塗装の前の「素地調整」はなぜそんなに重要なのですか?A. 下地にサビや旧塗膜が残っていると、新しい塗膜が密着せず、早期にはがれてしまうためです。 塗膜の寿命は素地調整の品質で大きく変わります。 長寿命化にはブラスト工法による丁寧な下地処理が有効です。Q. 古い歩道橋で、塗膜に鉛が含まれていそうな場合はどうなりますか?A. まず旧塗膜の成分を調査します。 鉛・クロム・PCBなどの有害物質が含まれる場合は、飛散を抑える工法での除去が必要になり、通常より費用がかかる傾向があります。 安全を確保したうえで適切な工法を選定します。Q. ブラストと塗装を別々の業者に頼むのと、一括で頼むのとでは何が違いますか?A. 一括(ワンストップ)で依頼すると、工程管理・運搬・保管の手間が減り、業者間の連絡調整も不要になります。 結果として工期短縮とコストダウンにつながりやすくなります。Q. 対応エリアはどこまでですか?A. カイシン工業は岡山県倉敷市を拠点に、日本全国で対応可能です。 エリアや施工内容の詳細はお問い合わせよりご相談ください。

2026.06.15

橋梁塗装・塗替えの基礎知識。工程・塗装系・発注で押さえておきたいポイント

橋梁や歩道橋は鋼でできているため、塗装は「見た目」ではなく「サビから橋を守り、寿命を延ばす」ための防食です。 塗膜が劣化すれば鋼材が腐食し、構造の安全に直結します。 本記事では、橋梁塗装・塗替えの基本工程と、発注の際に知っておきたいポイントを、橋梁・歩道橋の一貫施行を手がけるカイシン工業が解説します。なぜ橋梁塗装が重要なのか鋼橋は屋外で常に雨・紫外線・塩分にさらされ、塗膜は少しずつ劣化します。塗膜が機能を失うと鋼材が直接腐食し、断面が減って耐荷力が落ちる——つまり橋の安全性そのものに関わります。だからこそ、適切なタイミングでの塗替えが欠かせません。こんなサインは塗替えの検討時期·      ・塗膜の色あせ・チョーキング(粉が出る) ·      ・ひび割れ・膨れ・はがれ ·     ・ 赤サビの発生、鋼材の露出 ·     ・ 過去の塗装から年数が経過している橋梁塗装の基本工程①足場・養生作業足場を組み、塗料やブラスト材が周囲・河川へ飛散しないよう養生します。②素地調整(ケレン・ブラスト)旧塗膜やサビを除去し、鋼材の表面を塗装に適した状態に整えます。新設や高い耐久性が必要な塗替えでは、ブラスト工法で素地を均一に仕上げます。旧塗膜に鉛などの有害物質を含む場合は、飛散を防ぎながら確実に除去する必要があります。③塗装(下塗り・中塗り・上塗り)防食の核となる工程です。下塗りでサビを抑え、中塗り・上塗りで耐久性と色を確保します。長期耐久を求める環境では重防食仕様が採用されます。④検査・記録膜厚や仕上がりを検査し、施工記録を残します。公共工事では仕様に沿った品質管理が求められます。橋梁塗装でよく使われる塗装系·      一般塗装系:標準的な環境向け。 ·      重防食塗装系:塩害地域や長期耐久が必要な環境向け。下地調整の基準も高くなります。 ·      弱溶剤・水性系:環境配慮や作業条件に応じて選定。   どの塗装系が適切かは、橋の立地・環境・要求される耐用年数によって変わります。発注で押さえておきたいポイント·      ①下地処理から塗装まで一貫しているか:素地調整と塗装を分けると品質責任があいまいになります。一貫施行なら工程をまたいだ品質管理が可能です。 ·      ②鉛含有塗膜への対応力:古い橋ほど鉛含有塗料が使われている場合があり、安全な除去・処理の体制が必要です。 ·      ③実績と設備:公共・自治体案件の経験や、ブラスト・塗装の保有設備は品質の裏づけになります。まとめ橋梁塗装は橋の安全と寿命を守る重要な防食です。品質は下地処理で大きく左右されるため、ブラストによる素地調整から塗装までを一貫で任せられる体制が理想です。 カイシン工業は岡山・倉敷を拠点に、橋梁・歩道橋の下地処理から塗装まで一貫施行。鉛含有塗膜の除去にも対応し、国や自治体の橋梁補修にも携わってきました。 さらに「ワンストップサービス」にて、ブラストによる素地調整から塗装までをカイシン工業がワンストップで施工する新体制を整えています。 この新体制によって、コストは従来比60%オフ。   鉄骨・配管の塗装・ブラストのコストを下げたい業者様、ぜひ一度お問い合わせください。 TEL. 086-450-1010

2026.06.11

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